本場の中国鍼:李哲鍼灸院

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中医学は呪文で治療するのか?ガス中毒の緊急救命例(2018-03-20修正)

こんにちは。李哲です。

今日は北京中医薬大学の教授:郝万山先生が「傷寒雑病論」DVD講義で話した面白い例です。

 

ガス中毒の時、漢方ではどう治療したか。 

前にも話したけど、漢方は3~4ヶ月も飲んで効き目が出るものではない。漢方の効き目はとても素早くて、特に緊急救命に優れています。

 

郝万山先生の「傷寒雑病論」物語シリーズ。

時間があるとき、また翻訳するかも知れません。

この翻訳文で、中医学に興味を持つ方が増えれば幸いです。

 

最初は簡単に、本文に出てる二人の先生を紹介します。

 

劉渡舟(1917—2001)
足つぼ・中国整体で生理痛.冷え性.不妊症.胃痛.頭痛.首こり.肩こり.腰痛.ヘルニア解消!   表参道駅4分!

 

現代中医学領域で有名な学者.漢方医.教育家。

元北京中医薬大学の教授。

近代中医学の業界で、有名な漢方医です。

 

郝万山(1944年11月出生)


足つぼ・中国整体で生理痛.冷え性.不妊症.胃痛.頭痛.首こり.肩こり.腰痛.ヘルニア解消!   表参道駅4分!

 

名門の北京中医薬大学を卒業。現在は北京中医薬大学教授。博士課程を指導する先生。

翻訳文

1970年代、学校の先生たちは河北省のある小さな都市で、西洋医学の先生のために中医学講義をやってました。

 

ある日、その地区の工場で火災が起きて、同時にたくさんの有毒ガスが漏れ、消火に参加した60人くらいが中毒になりました。

 

この有毒ガスは、かなり強かったです。

呼吸道に入って、肺に水がたまって、粘膜が腫れている人もいる。食道粘膜と胃粘膜が腫れている人もいる。ひどい患者は高熱.昏睡.呼吸が苦しい.胸が痛いなどの症状がありました。

 

当時の北京協和医院.天津の大きな医院.唐山地区医院の西洋医学の先生たち。みんな工場に集まって救命作業を始めました。

 

どんな毒物で中毒になったか、西洋医学の先生たちはよく知っていました。

 

しかし、その時は特効薬がなかったです。

だから、対症療法しかできませんでした。

 

呼吸が苦しい患者は、酸素を与える。

嘔吐でご飯が食べれない患者は、点滴をする。

2~3日治療しても、患者たちの高熱.呼吸が苦しい.胸が痛いのは改善できませんでした。

 

西洋医学の先生たちの中で、誰かが北京中医薬大学の先生がここで講義をやってることを聞いて、車に乗って探しに来たのです。

 

一緒に工場へ向かっている途中、西洋医学の先生は話しました。「今度の工場失火で、何々毒ガスが出てます」毒物の名前は長過ぎて、覚えられないくらい。

 

そして、「このような中毒。あなた達の中医学、歴史で何かいい解毒法はありますか?」と聞かれたのです。

 

聞いたこともない毒ガスの名前で、私は慌ててました。どうしよう…

しかし、隣の劉渡舟先生は何も言わないで、座っているだけでした。

 

工場現場に着いてみたら、患者たちはみんな簡易テントで寝てました。

 

当時、この工場は機密現場だったので、

患者たちは遠い病院には運べなかったです。

 

劉渡舟先生は私達を連れて、

患者を何人か診たけどみんな同じ症状。

 

そして、劉渡舟先生は私の耳元で小さな声で言いました。

 

「嘔而発熱者,小柴胡湯主之」。

「正在心下,按之則痛,小陥胸湯主之」。

 (李哲 翻訳:嘔吐があって熱があるときは、小柴胡湯 を与える。

心臓の下、胃のあたりが押すとすごく痛いときは、小陥胸湯 を与える)

 

私はすぐ分かりました。

これは、小柴胡湯小陥胸湯 の組み合わせで治療する意味。

そして処方箋に書いたのは、柴胡2000g、黄芩1000g……

 

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黄芩(おうごん)の花


驚かないでください。

中毒した患者さんは60人ですよ。

だから、2000gの量は全然多くないです。

 

煮るための鍋は、工場で使っている大きな炊飯用の釜。

 

煮出した後、起きてる患者にはそのまま飲ませる。

昏睡状態の患者には、注射器で胃に注入。

 

そしたら、軽い症状の人はその日に嘔吐が止まり、高熱も下がりました。

 

私の印象に残ってるのは、

昏睡が一番ひどい患者、4日後に目が覚めました。

彼は火災中心部で活動したので、中毒が一番ひどかったわけです。

 

60人の患者を簡単に救ったあと、西洋医学の先生は私に質問がありました。

「中医学は呪文で病気を治すのですか?」

 

その先生の意地悪、私はすぐ察知しました。

「なんの意味ですか?」

 

西洋医学の先生は、「その日、劉先生があなたの耳元で何か読んだでしょう?読んだ後、何も相談しないですぐ処方箋を書いて。劉先生は一体何を言ったのですか?」

 

お~~

私は彼に教えてあげました。

「劉先生が読んだのは、「傷寒論」の条文です」

 

彼「もう1回読んでもいいですか?」

私「OK。

嘔而发热者,小柴胡湯主之。

正在心下,按之則痛,小胸湯主之」

 

処方まで書いてあげたら、彼の両目は大きくなってました。

「この2つの処方で、ひどいガス中毒が治りますか??」

 

「中医学は症状によって処方するから、ガス中毒かどうかは気にしません」と私は教えてあげました。

 

この事件は何年も経っているけど、火災中心部で倒れた中毒が一番ひどくて、昏睡時間が一番長かった若者。

 

彼は毎年の旧正月、北京に来て劉先生に挨拶をしてました。

劉先生は命の恩人、二人目の親だと言って。