こんにちは。李哲です。
漢方薬を飲んだことがある方は、きっと気づいていると思います。
漢方薬には葛根湯とか、麻子仁丸(マシニンガン)とか、五苓散(ゴレイサン)など。名称がたくさんある。
なぜ最後の名称が違うか、今日は漢方薬の基礎的な知識を書きます。拙い記事ですが、皆さんの参考になれば幸いです。
先に理解して貰いたいのは、漢字自体はその意味があります。アルファのABCには特別な意味が無いけど、一つの漢字にはその意味があります。
例えば元旦の「旦」。
日が地平線の上に登った時の景色を真似して作られた文字。
中国語では「象形字」と言いますが、その意味は漢字は形を想像して作った文字。
漢字が違うのは、その形.性質など違うからです。
例を挙げて説明します。
漢方で葛根湯。
最後に付けてる「湯」と言うのは、液体のこと。つまり、皆さんがよく知ってい煎じ薬です。
麻子仁丸(マシニンガン)の最後に付けてる「丸」と言うのは、まるまるになっているつぶ状態のこと。生薬を生のまま砕いて、蜂蜜と一緒に混ぜて丸くするのが多いです。
五苓散(ゴレイサン)の最後に付けてる「散」と言うのは、生薬をそのまま砕いて粉にしたこと。
なぜ煎じて液体の「何々湯」にしたり、粉状態の何々散にしたりするか?
これは漢方薬の最適な効果を出すために、設計されたものです。(持ち運び便利のためにもあるけど、決定的な要因ではない)
昔ながら「散」と「湯」の作り方は混ぜたりしてないです。
五苓散は五苓湯にしない。
葛根湯は葛根丸にしない。
現代になって、煎じ薬が面倒になったか(あと煎じ薬がまずくて)、粉状態の漢方薬にしてほしいの要求が増えました。
これがおそらく粉末状の漢方薬が多い原因でしょう。
しかし、上でも話したように、煎じ薬を粉状態の漢方薬にするのは、最適な効果が出ません。
皆さんがよく知っている「葛根湯」。粉状の商品があります。軽い症状の風邪には効くかも知れないけど、重い症状の場合は、粉状態の漢方薬では足りません。
煎じ薬にしないと、本来の一撃必殺の効果が出ないのです。
粉状の「葛根湯」を増量して2包飲めば、煎じ薬と同じような効果が出るかも知れませんが、煎じ薬のほうが的中率が高いです。
例えば「麻黄湯」を「麻黄散」に加工して飲む。「麻黄湯」は飲むと汗が出て風邪がすぐ治るけど、「麻黄散」はそうでもない。全然汗でないかも知れません。
そうなると、漢方薬本来の効果が出ない。「漢方薬は効かない!」という不満が増えるわけです。
漢方薬の散、丸、湯などの区別と使い分け。昔の聖人たちが色々設計したのは、その理由があります。
作り方が面倒だから、適当に麻黄湯を麻黄散にしよう!などの発想はありません。
昔の聖人たちが残してくれた漢方薬。
大事にして、そして理解して欲しいですね。
個人的の助言ですが、漢方薬に興味がある方は、中国語も一応勉強したほうが良いです。
日本語の翻訳書籍が少ないのが一つの原因。もう一つの原因は、翻訳が最適ではない時があるから。