本場の中国鍼:李哲鍼灸院

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足がただれて黄色い滲出液が出る、脱皮するのは治り、新しい肉が再生してきたおばあちゃん

こんにちは、李哲です。
中国・河北省の張静先生*1の漢方薬治療例を翻訳しました。参考になると幸いです。

 

中国語本文のリンク先は、

mp.weixin.qq.com

 

足がただれて黄色い滲出液が出る、脱皮するのは治り、新しい肉が再生してきたおばあちゃん

 

94歳のおばあちゃん、去年から足がただれました。遠く離れた蘇州にいるので、直接治療に来ることができません。

 

私の1人の友人は、おばあちゃんに私を薦めました。当時、私がいろいろ心配したのは、おばあちゃんが年だし、直接見れないから遠慮が多かったです。

 

私の友人は焦ってました。

なぜなら、おばあちゃんの足の傷口はひどくて、歩くことすらできないから。

 

私は足の漢方薬湿布で試すことにしました。 

この貼る漢方薬は、たくさんの爪が要ります。ほかの生薬は探しやすいけど、爪だけはダメです。たくさん集めても測ると大した重さにはならない。

 

友だちにSOSを出して、たくさんの人が爪を送ってくれました。ここで皆さんに感謝を伝えます。

 

貼る漢方薬を数ヶ月使ってから、ひどい足のただれは治りました

 

※グロテスクなので、閲覧注意!

 


 

しかし、数ヶ月後に反対側の足にもただれが始まりした。最初は一部だけだったけど、すぐ全部の足に広がり、毎回送ってきた画像は見ただけで恐怖を感じます。

 

※グロテスクなので、閲覧注意!

 

電話で問診したら、住居は湿気っぽくないので、体内の問題だと判断し煎じ薬が必要だと感じました。

 

問診で分かるのは、心臓病はない。食欲と睡眠と便通は良好、だるさがあるそうです。

 

最初の処方箋は芍薬、甘草、升麻。20日分。

最初の10日は治りが早かったです。

たくさんの黄色い滲出液が出たところは縮まり始め、古い角質は落ち始めて、新しい肉が再生されたところは痒くて痛くなりました。そして、食欲不振があるそうです。

 

2回目の処方箋は、以下の通り。

「桂枝去芍薬加蜀漆竜骨牡蛎湯」をアレンジ。

桂枝、生姜、なつめ、炙甘草、常山、竜骨、牡蛎、蒼朮、茯苓。

 

生薬:常山の実の画像

生薬:常山の実の画像

 

20日間飲んでから、ただれは大範囲で治りました。脱皮もしない。滲出液も出ないで、皮膚が完全に戻りました。

 


 

しかし、また新しい問題が出たのです。

  • 倦怠感が強くて力が出ない
  • いつも疲れた感じ
  • 歩けない
  • コケる
  • 頻尿

 

おばあちゃんは足が治ったと言うけど、私は心配なので処方箋を以下のように変えました。加工した附子(トリカブト)、白朮、人参、連翘(レンキョウ)。30日分。

 

1ヶ月後、歩いてもコケない。食べる量が増えたけど、夜間頻尿で2時間に1回トイレにこもる。

 

最後は、気血を補う処方「新加湯」をアレンジして、夜間頻尿にピリオドを打つことにしました。桂枝、芍薬、生姜、人参、炙甘草、なつめ、細辛、烏薬。10日分。

 

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【▲生薬:細辛(さいしん)の画像】

 

私たちの診療所では、この治療例を討論したことがあります。94歳なのに、皮膚の再生能力がこんなに強いのが、本当にビックリ。

(爪に関する世間話は省略)

李哲の解釈と説明

 

上記の画像を見て、私も背中がゾッとしました。ここまでひどい足のただれを漢方薬で治せたのはすごい!そして、94歳なのに治るのは、人間の自己治癒力はすごいものだと感服しました。

 

病院に行ったらどうでしょう…おそらく、足の切断になるでしょう。しかし、患者さんは94歳!手術を受ける体力なんかありません。ひょっとしたら、手術する途中で死んでしまいます。だから、中国語には「手術は成功したけど、患者さんは死んだ」という笑い話があるわけです。

 

西洋医学で足の切断をすすめるのは、だいたい凍傷、糖尿病性壊疽、ケガでの壊疽…以下は糖尿病患者の症例。足の傷口が治り、切断する必要もなくなりました。

 

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簡単に上記の処方を分析します。

「新加湯」と「桂枝去芍薬加蜀漆竜骨牡蛎湯」。この2つは「桂枝湯」をもとにし『傷寒雑病論』の処方です。なぜ上記の処方箋を使ったのか、張静先生は意図を説明していません。私の推測ですが、患部が火傷の痕みたいだから、「桂枝去芍薬加蜀漆竜骨牡蛎湯」を処方したでしょう。

 

爪に関する貼薬も説明が少なくて、どんな物か分かりません。一点だけ確認できるのは、上記のようなひどい足のただれでも漢方薬で治せる。

 

漢方薬には皮膚・筋肉を再生させる生薬がたくさんあります。例えば黄耆(おうぎ)、乳香(にゅうこう)、血竭(けっけつ)、紫草(漢方薬の紫雲膏に入っている生薬)…

 

血竭(けっけつ)の別名は面白いですね。「麒麟血」だとも言いますが、中国の昔は麒麟は伝説の動物で、誰も見たことがないのに、麒麟の血という奇妙な名付け(笑)

 

冗談話は置いといて、印象に残っている翻訳文を2つ貼りました。参考にしてください。

 

▼抗生物質で治せたところか、どんどんひどくなり、最後は漢方薬だけで治した例。

 

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▼乳癌の患部が腐ったのが漢方薬で新しい筋肉・皮膚が再生してきた例。西洋医学の治療では絶対に無理です。乳癌で胸が腐った場合、腐った肉を刳って取るだけです。

 

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私はここまでひどい爛れる患者さんを診たことありません。貨幣状湿疹の治療はしたことあるけど、爛れる範囲は明らかに小さい方でした。手足がただれて痒い貨幣状湿疹の鍼治療例は、以下をご覧ください。

 

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基本的に皮膚がただれて痒いのは、湿気が主な元凶で、その次は熱毒です。中医学では「湿熱証」だと言います。もちろん、100%の患者は湿熱証だとは限らない。「寒湿証」もあるので、臨床では弁証が必要です。

 

皮膚がただれて治らない方は、ぜひ信頼できる漢方医・鍼灸医に診てもらってください。

*1:張静先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。