こんにちは。李哲です。
今日はアメリカでの開業医(中医師):鄭智城先生の記事を翻訳しました。
もとの中国語本文のリンク先は、
(2015-06-01 03:46発表)
翻訳文
最近治療した一人の女性。留学生です。
彼女の主訴は、毎月生理が来る時に死にそうに痛い。そして、嘔吐と下痢がある。
生理の量は非常に少ない。
普段は便秘ぎみ、排便が大変。
手足はよくつる。疲れやすい。
普段は水を飲むのが多くて、トイレも近い感じ。
お腹すくとダメ。
食べるときは、食べ過ぎになりやすい。
体の反応が遅いというか、いつお腹がいっぱいなったのかが分からない。
だいたいお腹がいっぱいだと思ったときは、すでに食べ過ぎた時です。
そして、毎回髪を洗うときに大量の髪が抜ける。その原因は、1年前から飲んでいる甲状腺の西洋薬、その副作用だと思います。
処方箋は当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)。7日分。
当帰、桂枝、芍薬、炙甘草、生姜、なつめ、加工したトリカブト(附子)、麦芽糖。
2週間後、再診察に来て話したのは、ちょうど生理が終わる頃で、生理痛は50%減り嘔吐と下痢はなくなった。生理痛はあるけど、すぐ消える。
生理の量は普通に戻り、自分の食べる量をコントロールすることができる。食べ過ぎないように。
最後、髪が抜けるのは著しく変わった。
処方箋変えず、あと10日分を処方。
李哲の感想:
中医学の理論から言うと、痛みの質は2種類あります。
寒と熱。
簡単な見分け方は、
寒:縮むような痛みは、全部『寒気』が原因。ベロは白色。
熱:四肢、内臓のだらんとした痛みは、『熱』が原因。ベロは黄色。
たとえば脳卒中(脳出血)後遺症。
手足が縮んでけいれんするのは、みんな『寒』。逆に手足に力が入らなくて、麻痺しているのが『熱』。
中医学は本当に温度計で測ってから、寒熱を決めるものではない。その現象から、寒熱の定義をします。
臨床で見ると、『熱』の人は1割もいません。9割以上は『寒気』が原因です。漢方薬で治すときは、桂枝・トリカブト(附子)など陽気を強化する生薬がほとんど。
髪が抜けるのは、腎臓が弱っていることなので、鄭智城先生の処方箋でだいぶ良くなったのも想定内。
鍼灸も漢方薬同様に、痛みと嘔吐・下痢など治せます。
特に生理痛は、針を刺した瞬間に痛みが緩和し、素早い効果が現れる。
以下の過去記事、参考にしてください。
鍼では経絡の流れをよくして、詰まりをなくす。
徐々に体中が暖かくなり、諸症状の改善が見られます。
臨床で困るのは、手術したあとに鍼治療を受ける。
手術すると体内の経絡が切られるので、手術してない人より圧倒的に治りが悪いです。
だから、私は皆さんに呼びかけています。
先に鍼治療してみてダメだったら、手術をしてもいいじゃないですか?