こんにちは。李哲です。
今日はアメリカでの中医師:鄭智城先生*1の文章を翻訳しました。
中国語本文のリンク先は、
(2011-11-01 06:31:45発表)
心臓の動悸を治す「炙甘草湯」
羅大伦さん(李哲説明:中医学の普及に力を入れた有名な作家)は話したことがあります。
自分が中医学を信じ始めたのは、炙甘草湯(しゃかんぞうとう) で自分の動悸が治ったから。
実際に私も臨床で炙甘草湯(しゃかんぞうとう) を良く使います。以下は一つの治療例。
理由なしで怖い、動悸がするのは心臓の問題
ある日、マレーシア生まれの中年婦人が来ました。
なんか不安そうな顔で言ったのは、
「いつもドキドキします。いつも理由なしで怖い。何を怖がっているのか分からないです。」
ちょっとした事でも、心臓がドキドキする。
心臓に問題がある人は、いつも不安そうな顔をしています。
診察の時、いつも同じ質問を繰り返す。
このような人はたくさん診たので、すぐ心臓の問題だと判断しました。
もし、西洋医学の検査を受けたら、西洋医学は不安障害.うつ病だと診断して、精神科医に行くか若しくは抗不安薬.抗うつ薬を飲ませます。
患者さんは西洋薬を飲んでさらに興奮し、尋常ではない理性的ではない行動をとる。
そして、さらに追加で精神病だと診断します。
尋常ではない行動は、邪悪な西洋薬の副作用です。
炙甘草湯が心臓の動悸を治す仕組み
炙甘草湯(しゃかんぞうとう) の特徴は、大量の生地黄を使うこと。
傷寒論に書いたのはもともと1斤。
私は1両以上を使います。
生地黄の作用は、血を補います。
生地黄の色は黒で、大量の鉄分を補給できる。これは西洋医学の角度での解釈です。
中医学の角度で言うと、生地黄は血の流れを良くする作用もあります。
人参は党参で代用、3銭。作用は気を補給。
火麻子仁は、アメリカで禁止している大麻の種です。
たくさん食べると、「令人见鬼狂走」(ヒステリックになり、幽霊などが見れる)の副作用がある。
しかし、ちゃんとした量を使えば、「主五労七傷,利五臓」のよい効果があるのです。
桂枝の作用は、心臓の動脈血管を広げる。
4銭の炙甘草と組み合わせすると、安定した心拍数を維持できて、大量の生地黄とアギョウが作った血液を全身に送り出す。
こんな巧妙な設計で、心臓病が治らないわけがないです!
動悸、心臓のドキドキは3日で治った
マレーシア生まれの女性は、5日分しか買っていません。
3日分だけ飲んで、心臓の動悸が治りました。
彼女は生薬が高い、もったいないと思って、残りの2日分も飲んじゃったそうです。
彼女みたいな年齢になると、この炙甘草湯(しゃかんぞうとう) はもっと飲んでも構いません。
李哲の感想:動悸には鍼灸の効果も良い
漢方薬以外に鍼灸も動悸に良いです。
今までの経験だと、鍼はすぐ効果が見れます。
一つの症例があるので、ご覧ください。
鍼では八会穴の公孫+内関のセットだけでも心臓がかなり楽になる。強化バージョンとしては心兪、巨闕などを追加するとなお良い。
漢方薬みたいに5日で治せないかも知れませんが。漢方薬がない時には代用の治療法になります。
良い漢方医がいなかったら、鍼灸も試してください。
*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。