本場の中国鍼:李哲鍼灸院

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【翻訳文】悪夢で暴れて奥さんを殴るご主人。

こんにちは。李哲です。

今日は鄭智城中医師(アメリカでの開業医)の記事を翻訳しました。

 

最後には私の感想文があります。

 

中国語本文のリンク先は、

常年不断的奇怪和血腥的梦魇_郑智城

翻訳文

先日、ある先輩が私のお母さんに電話して来ました。

先輩の悩み事は、ご主人が長年寝ている時に、手足が喧嘩しているみたいに動いて、殴られて困っている。

 

私のお母さん「それでは、部屋を別々にして寝れば?」

先輩「なにか漢方薬がないですかね?暴力的にならないで、静かに寝てもらうように」

 

私のお母さんは、すぐ私に電話をチェンジ。 そして、先輩は詳しく説明してくれました。

 

ご主人は睡眠中に、よく危機一髪の夢を見る。他の人に追いかけられたり、どろぼうが入って窃盗したり、その後ご主人は無意識に手で反撃したり、足で蹴ったりするのです。

 

2回ほど、ご主人はどろぼうが窃盗しに入った夢を見て、踏ん張ってどろぼうを捕まえようとしたら、ベッドから落ちて顔に大ケガ。病院まで行ったそうです。

 

聞いた限りひどい感じでした。

 

私はちょっと考えてから、先輩に聞きました。

「ご主人は普段心臓のドキドキ、心臓が苦しい感じはないですか?」

「あります。あります。主人はすぐ驚くみたいで、主人がテレビを見てる時に部屋に入るだけでも、主人はびっくりしています。」

 

私はすぐ分かりました。

「了解です。原因が分かりました。処方箋を出しましょう。」

 

中医学は『望聞問切』四診合参ですが、このように電話だけ聞いて治療するのはよくあります。

 

ある症状は画竜点睛(がりょうてんせい)の特徴があるので、聞いただけで分かる。ある証は、患者さんの顔を見ただけで処方箋が分かります。これは普段の経験の積み重ね。

 

ただし、誰でもこのように分かりやすい症状があるとは限らないです。

 

今回処方したのは桂枝、西洋参、麦門冬、生地黄、麻子仁、アギョウ、生姜、ナツメ。3日分。

 

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麦門冬(ばくもんとう)の画像

 

数日後、先輩から電話が入りました。

電話に出たのはちょうど私。

 

先輩が話したのは、「主人は漢方薬を飲んだその日に静かに寝れました。手を振ったり足で蹴ったりしてない。貴方すごいですね。この漢方薬はいつまで飲めば良いですか?」

 

この先輩は私を助けた事があり、今回は恩返しする事ができました。

李哲の感想

鄭先生の処方箋は、『傷寒雑病論』の中の有名な炙甘草湯(しゃかんぞうとう)をアレンジしたものです。人参と炙甘草を西洋参に変えた理由は、おそらく陰を補って熱を下げるためでしょう。

 

悪夢を見る。殺し合いとか事故で血まみれの死体になったり、とにかく怖い夢は体内の陽気が足りないのが原因です。

 

あとは、心臓が弱くなった時。

心臓が弱いのは2つのパタンがある。

 

一つ目は心臓のパワー(駆動力)が足りない。中医学では陽虚と言います。

 

二つ目は、心臓のパワー(駆動力)が足りるけど、心臓の送り出す血が足りない。中医学では陰虚と言います。

 

中医学の理論では、肝臓と心臓が主に睡眠と関係がある。

睡眠の質が悪いのは、この2つの臓器の働きを先に良くするべき。

 

鄭先生が「心臓のドキドキがあるのか?」を聞いたのも、心臓の調子を確認するためですね。

 

鍼治療の場合は、肝臓か心臓かを分けない。

内関と神門だけで、十分な効果があります

足りなかったら、背中の肝兪・心兪などで調整すれば良いですね。

 

私は臨床で内関1つ刺しただけで、その日の夜から睡眠がとても良くなった例がある。内関で睡眠の質が変わるのは、患者さんからしばしば聞いています。

 

西洋医学は中医学みたいに肝臓か心臓かを分けません。不眠症の患者さんであれば、すべて睡眠導入剤を処方。

 

睡眠導入剤の副作用は、夢遊病(むゆうびょう)。

寝ている間に、車運転したり夜中にお菓子を食べたりします。ほかのうつ病になるなどの副作用をあげるとキリがない。

 

過去の夢遊病の治療例が一つあるので、貼っておきます。読んだことがない方はどうぞご覧ください。

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li-hari.hatenablog.com

 

夢遊病(むゆうびょう)と睡眠薬の関連性は、日本のサイトでも報道しています。以下のリンク、参考にしてください。

 

【新連載】4.睡眠剤の副作用を再点検する – 全日本民医連

 

睡眠薬による夢遊症状に要注意:日経メディカル