急に全身に出た痒い発疹、3日の漢方と鍼灸で治った症例

急性の全身に広がった発疹、漢方薬と鍼で治った
突然起きる発疹、中医学は治せる

こんにちは。李哲です。

スタンフォード大学の博士、李宗恩中医師1の漢方薬治療例、急性全身過敏長疹子 – 當張仲景遇上史丹佛(06/07/2013発表)を翻訳しました。

目次

急に全身に出た赤くて痒い発疹、3日の漢方と鍼灸で治った

患者さんは60代の女性、中国人。
ロサンゼルスからサンフランシスコまで親族訪問に来た時、突然全身に赤い発疹が出て、とても痒かったです。

救急病院に搬送されて、西洋医学の治療で発疹は治ったけど、帰宅して3時間後、もう一度全身の発疹が起きて、夜中には病院に行ったときよりもひどくなりました。

初診は2013.5.24。 
主訴:全身に突然現れる発疹。
原因が分からない、なにかアレルギー性の食べ物もない。

処方薬:
市販の五苓散ごれいさん+黄連+黄芩+黄柏。

鍼灸のツボ:
太衝 血海 曲池 合谷 三陰交 築賓 委中(刺絡で出血) 

2013.5.26
鍼をしてから赤い発疹は消え始め、2回の漢方薬を飲んでから全身の発疹は治り、なんのアレルギー性反応も出なかったです。 

2013.5.31
3日間飲んでから漢方薬を止めているけど、赤い発疹は再発していません。

李哲の解釈と感想

五苓散で突然の発疹を治せる理由

突然全身に現れる赤い発疹は、水毒と風邪(ふうじゃ)の結合が原因です。だから、五苓散ごれいさんでは水毒・風邪を解決し、また消炎鎮痛剤として黄連、黄芩、黄柏を入れてますね。

簡単な処方だけど、赤い発疹を2日で治すなんて、さすがにニハイシャ先生2の弟子です。

五苓散で治せる病気はたくさんある

五苓散ごれいさんは様々な症例で使います。全然違う病名でも五苓散ごれいさんで治せるのは、中の原因が同じだからです。 以下の記事がその応用例。

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鍼だけでも皮膚病を治せる

鍼治療の場合は、基本的に李宗恩博士が書いたツボを使います。皮膚のかゆみ・発疹などに対して鍼治療の効果は著しい。今まで様々な皮膚のトラブルを解決して来ました。以下は2つの症例です。

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鍼治療は発疹に有効だけど、一つだけ効果が薄いのがあります。ステロイドをたくさん使ってきた人には、他に方みたいな効果が出ません。なぜなら、ステロイドの毒素が皮膚にくっついて、なかなか解毒できないからです。

以下の過去記事で、ステロイド剤に関して詳しく説明しました。参考になると幸いです。

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鍼灸は副作用なしで痒み・発疹を治せるので、痒みが治らなくて困っている方は、ぜひ鍼治療を試してください。

(おわり)

  1. 李宗恩博士はアメリカ・カリフォルニアの著名な中医師。数々の難病・がん治療で高い臨床効果を出して、中医学の普及のために記事を書か続けて、研修医たちも育てている素晴らしい先生です。李宗恩博士の診療所情報は、以下の記事で説明しているので、どうぞご参考にして下さい。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

    ↩︎
  2. 倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

    ↩︎
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