本場の中国鍼:李哲鍼灸院

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マラリアは鍼灸でも簡単に治せる

「中国の科学者がマラリア治療薬を研究して、ノーベル医学賞をもらったのに!」

「マラリアを鍼灸で治すって、ウソでしょう?」

 

いいえ、事実です。

おおやけに報道してないから、一般人が知らないだけ。

中医学の歴史上には、たくさんの治療した記録があって、20年前の論文もあります。

 

マラリアは何が原因で、鍼灸ではどうやって治したか?

以下の記事で説明します。

 


 

こんにちは。李哲です。

今日は鍼灸の雑談。

 

マラリアは数十年前まであったけど、今の中国・日本では珍しい病気です。アフリカなどの国ではまだはやって、多くの患者さんが病気でなくなっています。

 

3年前、中国の女性科学者が、生薬からマラリアの特効薬を見つけて、ノーベル賞をもらいました。以下は関連記事。読んだことがない方は、どうぞご覧ください。

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li-hari.hatenablog.com

 

マラリア治療に関して、漢方薬は大昔から記録がありますが、鍼灸の範囲ではないので今日は省略します。

 

鍼灸ではマラリアをどんな治療法で治したのか?

古代と現代の記録文書で説明します。

 

中医学でいうマラリアの原因

西洋医学では、マラリア原虫が原因です。

中医学は見る角度が違うので、だいぶ変わります。

 

以下は『黄帝内経』古文の引用。

(古文は飛ばして、直訳文から見ていいです)

黄帝问曰:夫痎疟皆生于风,其盖作有时者何也?

岐伯对曰:疟之始发也,先起于毫毛,伸欠乃作,寒栗鼓颔,腰脊俱痛,寒去则内外皆热,头疼如破,渴欲冷饮。

帝曰:何气使然?愿闻其道。

岐伯曰:阴阳上下交争,虚实更作,阴阳相移也。

阳并于阴,则阴实而阳虚,阳明虚则寒栗鼓颔也;巨阳虚则腰背头项疼;三阳俱虚则阴气胜,阴气胜则骨寒而痛;寒生于内,故中外皆寒;阳盛则外热,阴虚则内热,则喘而渴,故欲冷饮也。

此皆得之夏伤于暑,热气盛,藏于皮肤之内,肠胃之外,皆荣气之所食也。

  『黄帝内経・素問・疟論第三十五』より引用

「疟」は現代のマラリア。

中国語でマラリアの名称は、「疟疾」。

 

ふと文字のところは、典型的な症状が書かれています。

最初は寒くなり、腰と背中が痛くなる。寒くなるのが去ったら、その後は熱くなって頭が破裂しそうに痛くなり、冷たいものを飲みたがる。

 

赤い文字は、マラリアの原因を書いてあります。

夏の蒸し暑さにやられて、熱気が皮膚下と胃腸の外側(ここは栄気の場所でもある)に隠れたのが原因。

 

なぜ寒い国・地方にはマラリアが少ないのか? 

蒸し暑さの環境がないからです。 

 

マラリアの種類と関連治療方法

以下は古文の引用です。

原文は長いので一部のみ抜粋。

(古文は飛ばして、直訳文から見ていいです)

肺疟者,令人心寒,寒甚热,热间善惊,如有所见者,刺手太阴阳明。

心疟者,令人烦心甚,欲得清水,反寒多,不甚热,刺手少阴。

肝疟者,令人色苍苍然太息,其状若死者,刺足厥阴见血。

脾疟者,令人寒,腹中痛。热则肠中鸣,鸣已汗出,刺足太阴。

肾疟者,令人洒洒然,腰脊痛,婉转大便难,目眴眴然,手足寒。刺足太阳少阴。

胃疟者,令人且病也,善饥而不能食,食而支满腹大。刺足阳明太阴横脉出血。

凡治疟,先发如食顷,乃可以治,过之,则失时也。

诸疟而脉不见,刺十指间出血,血去必已。先视身之赤如小豆者,尽取之。

    『黄帝内経・刺疟論第三十六篇』より

 

上記の古文を見ると、『黄帝内経』ではマラリアの種類をA型タイプ、B型タイプみたいに、五臓六腑に分けています。そして、各タイプの具体的な症状と治療方法が書いてある

 

面白いのは、赤い文字のところ。

鍼治療の重要なヒントが含まれています。

 

「鍼治療はマラリアが発作するとき、もしくは発作した後に刺すと効果なし。発作する30分前に刺すと効果がある」と書いてあります。

 

まさに時間医療学の応用編。

 

下の赤い文字は、刺絡療法。

後世のたくさんの鍼灸医は、このやり方でマラリアを治しています。

 

マラリアを治す要点をまとめると、

  1. 刺絡療法
  2. マラリア発作する30分前に、適切な施術を行う

 

数回でマラリアは治ります。

 

マラリアの各タイプの症状、治療方法が書いている『黄帝内経』

マラリアの各タイプの症状、治療方法が書いている『黄帝内経』

 

古代の鍼灸治療例

歴代の鍼灸医たちの経験と探索で、数多く有効なツボが記録されています。

もっとも有名なのは、

  • 間使
  • 大椎
  • 陶道

 

この3つは基本的なツボで、どんなタイプのマラリアにも有効。

ほかにも有効なツボがあるので、症状に合わせて選べば良いです。

 

はり治療以外に、刺絡療法も応用するのが多いです。

次は古代の鍼灸治療例、以下の本から引用させていただきます。

(たくさんある著書の中で、一つだけ選びました)

books.google.co.jp

 

⇩ 直訳します。

『名医類案』にある記録。

子和(別名は張从正)が陳さんを治した事がある。

陳さんは3年もマラリアで苦しんで、たくさんの湿熱をとる漢方薬を飲んだけど治ってない。徐々に、虚弱体質になってしまいました。

 

張从正に診てもらったところ、寒い生薬を出す事ができず、『黄帝内経』に載せている方法を使いました。

 

マラリアが発作するとき、10本の指の間に刺絡療法して血を出したら、その場で寒くなったり熱くなったりの症状が消えて、周りの人はみんな神技だと嘆いてました。

 

この治療例で分かるのは、刺絡療法は効果バツグン。

 

簡単だけど、知らない人からみると神技。

知っている人からすると、これは大したことない。

 

また、日本の例をひとつ挙げます。

僧侶のお医者さん:梶原性全(かじわらしょうぜん)が1327年に書いた『万安方』の第十巻『諸疟灸法』には、身柱穴にお灸してマラリアを治す方法が記録されています。

 

現代の鍼灸治療記録

「古代の症例は、当てにならない!」

「鍼灸がそんなにすごいなら、アフリカに行って有効性を証明しろ!」という方。

 

安心して下さい。

ちょうどあります。

以下はアフリカで鍼治療を行った先生の論文。

《中国针灸》1998年第4期上的案例

 

  恶性疟疾后遗症针刺治疗法:李晋青(医生)用针刺法治疗非洲恶性疟疾后遗症180例,最小年龄7岁,均为布隆迪国内的患者。当地患者对常规抗疟药如氯喹、奎宁等耐药性强,治疗效果差。故患者多服用当地推行的法国抗疟新药Fancidar,或单纯用Quinimax静脉点滴。很多患者病愈后常遗留较严重的后遗症。

 

  180例患者均为布隆迪穆拉维亚省医院门诊患者,治疗前均有恶性疟病史,经末梢血涂片检验,红细胞内恶性疟原虫阳性。经抗疟治疗,疟原虫转阴,遗留头痛、失语、颈项强直、眩晕、恶心、呕吐、厌食等症状。

 

  治疗方法:取穴百会、风池、太阳、足三里、三阴交。颈项强直配风府、大椎;失语配廉泉、哑门;恶心、呕吐配中脘、脾俞;年老体弱配腰阳关、肾俞。患者取坐位或卧位,局部皮肤常规消毒,选35号0.5~2.5寸毫针,快速进针,捻转提插行针至得气。根据病情虚实,选用补、泻的针刺手法,每5分钟行针1次,每针30分钟,每日针1次,6次为一疗程。治疗结果:全部有效,其中132例痊愈(治疗后症状完全消失,随访3个月内无复发),占73.3%);48例显效(治疗后一般症状消失,仍感厌食,神疲乏力),占26.7%。

⇧ 直訳します。

1998年第4期『中国鍼灸』に載せているマラリア治療例。

李晋青先生はアフリカで、180人に対して鍼治療をしました。

一番小さい患者さんは7歳。

 

ご当地の患者さんは、みんな薬剤耐性マラリアがあって、クロロキン(Chloroquine)、キニーネ(quinine)の治療効果が非常に悪かったです。

 

大多数の患者は、フランスの新薬:Fancidarもしくは単純にキニーネ注射薬(Quinimax)を静脈点滴していました。また大きな副作用の後遺障害が残っている。

 

180人の患者さんは、みんなブルンジ共和国ムランヴィヤ県の県民。

はり治療の前はみんなマラリアがあり、西洋薬の治療でマラリア原虫検査は陰性になっているけど、頭痛、嘔吐、首の硬直、失語、めまい、吐き気がする、食欲不振などの症状が残っていました。

 

マラリアを治す、もう一つの治療法:鍼灸

マラリアを治す、もう一つの治療法:鍼灸

治療方法は百会、風池、太陽、足三里、三陰交。

  • 首の硬直があったら、大椎、風府を追加。
  • 失語は廉泉、唖門を追加。
  • 吐き気がする、嘔吐は中脘、脾兪を追加。
  • 年寄りで虚弱体質の人は腎兪、腰陽関を追加。

 

患者さんは座位、もしくはうつ伏せで施術。

通常消毒したあと35号の0.5寸~2.5寸の鍼で素早く刺す。

得気(とっき)したら、病状によって補うもしくは瀉法を使う。

5分毎に1回鍼を回し、30分間鍼を置く。

毎日1回鍼治療し、6日が1クール。

 

治療結果は、有効率100%。

中の132人は完治(すべてのつらい症状がなくなり、3ヶ月追跡訪問しても再発してない)、割合は73.3%。

 

48人は著しく変わったけど、食欲不振と倦怠感はまだ残っていた。割合は26.7%。

 

上記の論文で分かるのは、以下のとおりです。

  1. 西洋薬は薬剤耐性の問題があり、最後は効かなくなる。もしくは西洋薬の後遺障害が残ります。

  2. 西洋薬の治療で、マラリア原虫検査が陰性になったけど、患者さんのつらい症状は治ってない。

  3. 鍼治療の効果は有効率100%。
    よく見てください。
    中医学の統計は、「絶対有効率」です。
    西洋医学の「相対有効率」に比べたら、月とスッポン。

  4. 鍼は西洋薬で治せなかったつらい症状も治せる。

 

鍼はマラリア原虫を殺せるのか?

刺絡療法もしくは鍼治療後に、患者さんの寒くなったり熱くなったり、強烈な頭痛などマラリアの症状が消えます。

 

果たして、鍼でマラリア原虫が死んだのか?

 

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手足に細い鍼を刺して、マラリア原虫を殺せるワケがない。

鍼灸治療の有効性は、西洋医学の理論で解釈するとダメです。

 

西洋医学はマラリア原虫が原因だから、原虫を殺すのが最高原則。

 

中医学の理論は殺すのではなくて、体内環境を変える。

邪気(外部から入った菌・ウィルスなど)に逃げ道を作ってあげて、邪気を外に流す方法で治しています。

 

両者の考え方は全然違います。

 

鍼治療でマラリア原虫が死んだかどうかは、どうでもいい。

患者さんのつらい症状がなければ、治ったと判断します。

 

患者さんも治したいのは、つらい症状でしょう?

どこも辛くないのに、わざわざマラリア原虫の検査をするのは、頭おかしくないですか?

 

なぜ鍼治療を普及しないのか?

マラリアを鍼で治す場合、以下のメリットあります。

  1. 西洋薬みたいな副作用がない。
  2. 薬剤耐性の問題も存在しない。
  3. 安全、便利、経済的。
    数本の鍼は、マラリア治療薬よりも安いです。

 

鍼灸治療がこんなに良いのに、なぜ広まらないのか?

以下の理由が考えられます。

  1. 鍼治療で治せるのを、知らない人(国)がまだ多い。
    アフリカに中国の鍼灸医たちが行かなかったら、アフリカの人たちは永遠に鍼治療の素晴らしさが分からなかったでしょう。

  2. 鍼治療ができる鍼灸医が少ない。
    はり治療は簡単だと言うけど、どうしてもある程度の勉強が必要。養成学校などが必要です。

  3. もっとも大きな原因は、
    政府が鍼灸を普及しないで、西洋薬を優先して導入している。

    これは何かしらの膨大な利益が絡んでいるからです。

    マラリア治療薬は製薬会社にとって大金になるけど、鍼治療が一般的になったら、儲かるのは鍼の製造工場だけ。しかも大金にもなりません。

西洋薬の製薬会社と政府の癒着関係は、言うまでもない!

西洋薬の製薬会社と政府の癒着関係は、言うまでもない!

おわりに

「マラリアは鍼灸でも治るなら、すごい発見だ!ノーベル賞もらえる!」

こう考える方がいるかも知れません。

 

しかし、賞は誰にあげたらいいですかね?

2000年前の『黄帝内経』を書いた人?

 

数千年の歴史がある鍼灸、その治療効果を知らない人が多いです。

当記事は、鍼灸でもマラリアを治せる」ことを皆さんに伝えるために書きました。

 

鍼灸が様々な伝染病、疾病治療で有効なのは、大昔から現代までたくさんの治療例で証明されています。例えば、前回書いたハンセン病の鍼灸治療。

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li-hari.hatenablog.com

 

ほかにも難病治療の症例があるので、今後また機会があったらご紹介します。

 

西洋医学の治療法以外に、鍼灸の選択肢があることを知っていただけると幸いです。

 

(おわり)