乳がんが再発した女性、2週間で睡眠の質が良くなり、うつ病・倦怠感・冷え性が改善されて、笑うのが増えた漢方薬症例

「乳がんが再発し、不安で眠れず、両足は氷のように冷たく、尿失禁まで…」

そんな絶望的な状態だったプリンストン大学の先生が、漢方薬を飲み始めてわずか1週間で「笑う回数が増え、体がぽかぽか温かくなった」と涙ながらに語りました。
不安が消え、睡眠の質が劇的に向上した漢方処方の全貌とは?

目次

乳癌が再発し、不安の気持ちが強い・両足が氷みたいに冷たくて尿失禁・不眠症の患者

最近きた患者さん、プリンストン大学の先生です。彼女は電話で問い合わせしてから当院に来ました。だから、彼女の病気は診察前からだいたい知っています。

彼女は10年前に乳癌で手術・抗がん剤を受けたけど、最近また乳がんが再発しました。彼女は不安になり、「漢方薬でなんとかなるかな?」と期待して来たのです。彼女は痩せ型で、少し神経質の顔をしてました。

脈診したら、右寸実、左関弦数。
舌は腫れて質が薄い。
舌苔は薄い黄色、腻、歯の痕がある。

問診内容は以下のとおり。

  • 倦怠感が強い
  • 怒りっぽい
  • 尿失禁
  • 喉は渇くけど、飲みたくない
  • 朝起きたとき口が苦くて、気持ち悪い
  • みぞおち辺りが痛い
  • 両足はいつも氷みたいに冷たい

彼女が言うのは、「自分は世話好きで、すべての人の悩みを解決しようとしている。だから、心労が多くて夜もよく眠れないです」

関連記事:背中がムズムズして眠れないのを鍼1回で治した例。むずむず症候群の原因とツボで治せる理由も説明します。

両足が冷たいのは、ニハイシャ先生1の診療所ではすぐ加工したトリカブト、生のトリカブト、硫黄などを使いますね。しかし、実際の状況は複雑なので、私は処方箋を工夫しました。

最初は大柴胡湯だいさいことう+トリカブト+瓜窶実+桔梗+枳穀。

関連記事:目から血が出る・胃痛・気持ち悪いのが治り睡眠の質もよくなった「大柴胡湯」の症例

  1. 大柴胡湯を使った理由は、みぞおち辺りが痛いから。
  2. トリカブトを使った理由は、両足が冷たいから。
  3. 瓜窶実+桔梗+枳穀は胸が締め付けられる感じで、息が苦しいというので追加。

でも、すぐふさわしくないと感じました。なんとなく、頭が痛いから頭を治すやり方になりますね。そして処方箋を変えました。

半夏、陳皮、茯苓、芍薬、浙贝、杏仁、五味子、首烏、柴胡、白朮。黄元御2の弟子:麻瑞亭の「順気湯」を真似したものです。

その後、どう見ても、ピンとこない処方ですね…アイデアが浮かび上がったので、処方を変えました。柴胡加竜骨牡蛎湯さいこかりゅうこつぼれいとうをアレンジしたもの、6日分を処方。処方内容は柴胡、黄芩、半夏、党参、桂枝、茯苓、竜骨、牡蛎、珍珠母、大黄、生姜、ナツメ。

柴胡加竜骨牡蛎湯の関連症例:血圧220が140まで下がり、極度のうつ病と肥満症・全身が辛いのを改善した漢方薬症例

1週間の漢方で睡眠の質が良くなり、気分が晴れて笑うのが増え、体がすごい暖かくなってきた

1週間後、彼女は再診察に来ました。

今度、彼女の顔色は違いました。
穏やかになり、喜びの表情でいっぱい。

私「今週の体調はどうですか?」
彼女「良いです。良いです。睡眠の質はとても良くなり、気分も晴れて楽しくなりました。以前より明らかに笑うのが増えました。1回だけ怒ったことがあります。足もそんなに冷たくないです

これは治療方向が正しい事を示します。

関連記事:治療の有効・無効がすぐ判断できる方法。あなたは自分の体の感覚を信じるべき

彼女は遠いニュージャージー州から来るので、往復で6時間もかかる。だから、彼女は「1週間の漢方薬がほしい」と言ってました。

私は1週間分の柴胡加竜骨牡蛎湯さいこかりゅうこつぼれいとうを出して、翌週は柴胡桂枝乾姜湯さいこけいしかんきょうとう+当帰+白朮+茯苓を処方しました。

2週間後の再診察のとき、彼女が言うのは「今回はさらに効果が良いです。身体が本当に温かいです。手足も冷たくないし、とても気持ちよく過ごせました。この2週間は心配・緊張がありません。全部大した事がないように思えるようになりました

柴胡はうつ病を治すとき、本当に特効薬ですね。

柴胡加竜骨牡蛎湯さいこかりゅうこつぼれいとうは、精神疾患を治す時によく使われます。以下はもう一つの記事、参考になると幸いです。

漢方で生検後の痛みが激減!傷の治りも早くなった理由

私は彼女が先週生検したことを思い出して、彼女に聞きました。

私「生検はどうですか?」
彼女「1回目よりは良いです。1回目の時は緊張して、叫び声が全病院の隅々まで響き渡りました。帰宅後は1週間も痛かったです。今回は相変わらず緊張したけど、1回目ほどではないです。しかも、帰宅後は痛くなかったです」

彼女は私に乳がん生検するときの鍼を教えてくれました。

小型の電動道具で、スースー音がする。
一瞬で乳房に刺して、カチャーとしたときに痛みが走る。
その後、一瞬で生検鍼が出てくる。

テクノロジーのレベルは嘆くしかないです。

土から掘り出したばかりの新鮮な瓜窶根(漢方生薬)の写真
土から掘り出したばかりの新鮮な瓜窶根(漢方生薬)。柴胡桂枝乾姜湯などに用いられ、傷口の治りを助ける効果が期待されます。

「柴胡桂枝乾姜湯」中の瓜窶根と当帰は、みんな傷口を治す効果があります。だから、今回の傷口は治りが早かったでしょう。今回も3週間の漢方薬を出しました。

※アメリカの中医師:鄭智城先生3の治療例、①双脚总是冰冷的乳癌患者_郑智城_新浪博客(2012.8.15発表)②双脚总是冰冷的乳癌患者【续】_郑智城_新浪博客(2012.8.17発表)を李哲が完全翻訳しました。

李哲の解釈と感想

鄭先生の処方箋を分析

上記の処方箋を分析します。

●柴胡加竜骨牡蛎湯

●柴胡桂枝乾姜湯

2つとも柴胡がメインになっている処方箋。

適応症は違いますが、名前に柴胡が入っているので、「少陽病」を治すのが得意です。少陽病の代表的なものは肝気鬱滞(かんきうっけつ)から来る食欲不振・気持ち悪い・イライラしやすい・寝付けられない・情緒不安定など。

少陽病が原因で起きたうつ病、気分が晴れないときは、上記の漢方薬は効果バツグン。

うつ病はほかの処方箋で治すときもあります。漢方薬は一人ひとりに対するオーダメイド式治療法なので、一種類の漢方薬ですべて通用すると思わないでください。以下はもう一つの漢方薬で治した例、処方には柴胡が入っていません。

手足が冷たいと、必ずトリカブト・硫黄を処方するとは限らない

上記には、手足が冷たい患者さんに、ニハイシャ先生はすぐトリカブト・硫黄を処方すると書いてますが、そんなやり方を教えていません。

硫黄・トリカブトを処方するのには、根拠が必要です。必要がないのに処方するのは蛇足。余計な生薬で、処方のパワーが分散されて効き目が落ちる、もしくは効果が出ないからです。

傷寒雑病論しょうかんざつびょうろん』にも手足が冷たいのに、トリカブトを使ってない処方箋がたくさんあります。たとえば、手足の冷え性を治す有名な「当帰四逆湯とうきしぎゃくとう、中にはトリカブトなんて使っていません。鄭先生の文脈は、ニハイシャ先生への誤解を招きやすいので、訂正させていただきました。

当帰四逆湯とうきしぎゃくとう」の症例はたくさんあるけど、以下の一つ参考になると幸いです。

生検は乳癌を作り出すので、やってはいけない!

鄭先生の記事を見る限り、生検はハイテクノロジーだと絶賛しています。西洋医学は「テクノロジー」だけど、「科学的」ではないことに気をつけてください。

私が疑問だと思ったのは、ニハイシャ先生はあんなに生検を反対していたのに、なぜ研修に参加した鄭先生は言わないのか…まあ、ニハイシャ先生が研修医をたくさん募集したので、全員ニハイシャ先生を信じているとは限らないですね。様々な生徒さんがいるはず。

以下の症例には、繰り返す生検で本物の癌になった患者さんがいます。ニハイシャ先生は痛烈批判していました。参考にしてください。

生検すると、乳房には必ず傷口ができる→乳腺を通る母乳がつまり、長年経つと中で母乳が腐って本当の乳癌になる。

中医学理論で、母乳が過度に溜まったのが乳癌の原因です。

各症状は鍼灸・足つぼ整体でも効き目がある

上記の乳がん患者さんの諸症状、鍼灸・足つぼ整体でも治した症例をあげます。漢方薬以外、ほかの治療法もあることをで知ってもらえると嬉しいです。

▼ひどい倦怠感、氷みたいにキンキン冷える手足…などの諸症状を改善した足つぼ整体の症例。

▼怒りっぽい、イライラしやすい、寝付けられない若者を治した足つぼ整体の症例。

▼朝起きたとき口の中が苦いのは、陽陵泉穴一つだけでも治せます。過去記事があるので、参考にしてください。

うつ病・冷え性・不眠の内部リンク

  1. 倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

    ↩︎
  2. 黄元御(1705-1758):清朝の著名な漢方医。当時の乾隆帝の主治医を務めました。30歳の時、ヤブ医者にやられて治療のタイミングを逃し、左目は失明してしまいました。失明が原因で官僚の道はダメになり、医学の道を頑張って最終的には歴史に名前が残るお医者さんになったのです。著作には『四聖心源』『長沙薬解』などがあります ↩︎
  3. 鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。

    ↩︎
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