急に左耳が聞こえなくなった難聴の女性、1週間の漢方薬で半分治ってきた。「信じる者は救われる」言葉は正しい。

突然、左耳が聞こえなくなった女性。
病院で治療を受けても改善せず、不安なまま当院を訪れました。

中医学では気滞瘀血と湿気が原因と判断し、漢方薬を処方。
すると、わずか1週間で「難聴が半分良くなった」と連絡が入ったのです。

今回はその治療経過と、中医学的な考え方を紹介します。

📍 この記事で分かること

1.突然の難聴を中医学でどう考えるか
2.難聴女性に使われた漢方薬と処方の考え方
3.1週間で聴力が改善した経過
4.難聴治療で重要なポイント

※アメリカでの中医師、鄭智城先生1の症例、中年妇人耳朵突然癃闭_郑智城(2012-12-25 発表)を李哲が完全翻訳しました。

目次

急に左耳が聞こえなくなった難聴の女性

ロードアイランド州から来た婦人は、一つの症状を訴えました。突然左耳の詰まりがひどくて、聴力が顕著に下がっている。西洋医学の治療を受けたけど変わらないから、州を渡ってニューヨークの当院まで来ました。

彼女と私は縁があるというか、どんな病気でもすぐ効果が出ました。彼女の旦那さん、娘さん、親、いとこ。みんな治りが早かったです。彼女と一緒にいるときも、お互いに愉快な気持ち。

李哲の補足説明:
少し極端な説だと言われるかも知れませんが、中医学では「お医者さんは縁がある人しか治せない」ということわざがあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

🔗医師と患者の相性は治療効果に影響するのか?

「信じる者は救われる」は本当なのか

「信じる者は救われる」、私はどんどんこの話が正しいと思いました。以前、信じる者は救われる?プラセボ効果だけでは説明できない理由を書いたのもあるので、どうぞご覧ください。

この数年たくさんの患者に会って、言わなくても心の中の話が聞こえます。ある人は警戒心が強い、ある人は完全に私を信頼して任せてくれます。

医師を警戒している人は、私の方からも警戒します。結果的には、集中して診察ができないので治療効果も下がる。

私を完全に信頼する人は、警戒する必要もないので、集中して病気の分析ができます。もちろん治療効果も良いです。

李哲の補足説明:
鄭先生は他の症例でも、お互いの信頼関係が非常に大事だと主張しました。信頼関係がある人は、治療効果が非常に高いのです。以下の症例、どうぞご覧ください。
🔗信頼関係が治療効果を高めた記憶力・集中力アップの漢方治療例

中医学の診断と処方:瘀血と湿気を取り除く治療方針

彼女のベロを見せてもらったら、湿気が多い舌苔でした。ほかの症状を聞いたら、みんなあたり。たとえば生理前にイライラ、めまいがする、甘い物を食べると吐き気がする、尿量が少ない。

診断は気滞瘀血、湿気があり。
診断は簡単だけど、治し方は様々。
だから、中医学は複雑なものです。
私は最近血府逐瘀湯けっぷちくおとうをよく使うので、これにしました。苓桂朮甘湯りょうけいじゅつかんとうと平胃散へいいさんを追加して、6日分。

🔎合わせて読みたい:原因不明のめまい・嘔吐が3日の苓桂朮甘湯で改善した症例

1週間で難聴が半分改善した治療経過

血府逐瘀湯けっぷちくおとうの内容は、四逆散しぎゃくさん+桃紅四物湯とうこうしもつとう。
四逆散しぎゃくさんは肝臓の気滞を治し、桃紅四物湯とうこうしもつとうで瘀血を溶かす。

血府逐瘀湯けっぷちくおとうは以下の緊急救命でも登場しています。どうぞご参考に。

🔗血府逐瘀湯で転倒後の意識障害が改善した救急症例

左耳の問題は、一般的に肝臓が原因です。彼女の生理前のイライラは、きっと瘀血が原因なので、この処方は合っている。

平胃散へいいさんは彼女の寒湿体質を改善するため。
甘い物を食べると吐き気がするのは、寒湿が原因。

白朮(びゃくじゅつ)のスライスを土色の容器に入れた漢方生薬
白朮(びゃくじゅつ)。脾胃の働きを助け、水分代謝を整える目的で使われる代表的な漢方生薬です。

苓桂朮甘湯りょうけいじゅつかんとうは湿気対策。彼女のめまいがするのは、湿気が原因です。以下は、めまいを治したもう一つの治療例。

1週間後、電話が入りました。
「難聴は半分良くなっています。あと1週間分の漢方薬がほしいから送ってください」などなど。

李哲の中医学的考察

漢方薬は自己判断せず漢方医に相談する

耳がつまって聴力低下、これだけでは全体図が掴まないので、漢方薬もそうだけど鍼治療も難しいですね。幸いにも、ほかの症状があるので、判断しやすくなります。中医学は患者さんの症状で体内の動きを探知する医学なので、症状さえあれば体内の状況が把握できます。

西洋医学とのもっと違うところは、中医学とは?西洋医学との8つの違いをご覧下さい。

もし、あなたの症状が上記の女性と全く同じだったら、上記の処方とおりに飲めば治ります。しかし、違う症状がある場合は、処方が変わる可能性が高いです。

だから、勝手にまねして飲まないで下さい。
信頼できる漢方医に聞いてみたほうが良いです。

難聴治療の実績と改善傾向

難聴に関して、今まで治療例は多くないけど、みんな印象深かったです。以下は2つの症例。ふたりとも難聴以外の様々な症状を解決しました。

漢方薬と鍼灸はトータルケアなので、主訴を治す以外に、ほかの細かい症状も一緒に治します。これが漢方薬・鍼灸で治療したときのメリット。

▼薬の副作用で翌日から難聴になった女性。
足つぼ整体だけでも、効果が見られました。夜間頻尿、睡眠の質まで一緒に改善されました。当時は鍼灸師の資格がなくて、鍼治療ができなかったのが、一番の遺憾なところでした。

🔗薬の副作用による難聴が改善した女性の症例

▼今まで治療した中で、1番ひどい難聴と耳鳴りの患者さん。
正直、最初は治すのが無理だと思ったけど、変化が出始めて嬉しかったです。完治まではいかなかったけど、だいぶ良くなった鍼治療例です。もっと時間をかければ、治せるかも知れませんが。

🔗難聴・耳鳴りが鍼で改善した鍼灸症例

今までの症例からみると、多くの症例で改善が見られました。ただし、症状や原因によって結果には個人差があります。

難聴、聞こえないのを改善した症例集

👉️難聴が1ヶ月で回復した孫培栄先生の鍼灸症例2選

👉️耳垂れの出血・難聴を3回で改善した症例2選

👉️中耳炎の耳垂れで難聴になったのを改善した漢方薬症

👉️聞こえが悪い、白内障が改善された鍼灸症例

👉️女性の声しか聞こえない男性が回復した症例

👉️尿の勢い・耳の聞こえも良くなったおじいちゃんの症例

  1. 鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。

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